社内報のキソ

社内報のキソ

グループ報への関心が低い

Q グループ報の閲覧率を上げたいのですが、M&Aで一緒になった会社同士は互いのことよく知らず、興味もないという声を聞きます。

A 「連携」や「共通の価値観」をテーマに、全体方針だけではなく、各社の紹介の企画を増やしていきましょう。

 

M&A(合併や買収)で拡大してきた歴史をもつ組織のメンバーの多くは、自分の所属していた会社以外のことはよく知らず、他の会社に対して前向きな関心も持ちにくいものです。

 

そのような会社のグループ報は、「新たな文化を醸成し、各社が同じ方向を向いて一つにまとまっていく」ことを助ける役割も求められるものです。企画を立てる際には「連携」や「共通意識」をキーワードに、まずは互いに知ってもらうことを目標に据えて、各社の紹介にページを割くことも考えましょう。

 

具体的な手法は様々ですが、ここでは、二つのパターンに分けて、進めの企画を紹介します。

 

  • 1各関係会社が日常業務で連携している場合、あるいは今後後連携していく場合

◆共通業務を軸にした座談会企画。組織の違い・強み・互いに取り入れたいと感じていることなど、前向きな事柄を主軸に据えて、連携の仕方を模索する様子をそのままに語ってもらうと良いでしょう。
◆複数の関係会社や事業部の責任者から、同じテーマについてそれぞれの思いを語っていただく企画
◆全社的に展開を促したい組織間のナレッジ共有の取り組みを紹介する企画

連携の情報発信を重ねていくことで、直接業務に関わりのない社員も、徐々に、同じゴールを目指すチームとして互いを意識できるようになっていきます。

 

  • 2業務上の連携が急務ではない場合

◆グループ全体に「共通言語」(新たな企業理念、コーポレートメッセージなど)を浸透させる企画。抽象度の高い事柄に関連する、現場社員の個人的な取り組みを紹介するコーナーなども良いでしょう。
◆各事業部や関係会社の責任者から共通のゴールについての寄稿やコメントをいただく企画。寄稿依頼書(あるいは取材依頼書)でしっかりと記事の意図を伝え、場合によっては、語りの中に必ず盛り込んでもらう「キーワード」を提示します。
◆グループの理想を体現しているプロジェクトやお手本となる社員のインタビュー企画

 

いずれの場合も、M&Aの後の人心の統合は丁寧に扱うべき経営の最重要課題でもあります。そんな使命を担うグループ報の制作は、社会からの見られ方、グループ内の各社の力関係、メンバーの働き方や価値観の相違など、様々な視点から見て進めなければなりません。普通の社内報以上にバランス感覚が必要なので大変ですが、それだけインパクトの大きい、やりがいのある仕事です。

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