社内報のキソ

社内報のキソ

3-2.企画を磨く

社内報を構成する様々な企画を具体的に立案する上で前提となる最も大切なことは、

 

  • 1社内報全体の発行目的
  • 2それぞれの企画のねらい
  • 3実現可能性

 

の3点をしっかり念頭に置いて制作に着手することです。これらの点を満たすことで、無駄のない、効果的な誌面となります。

これを念頭に、まずは自社や自社を取り巻く潮流、それに伴う課題や議論したいテーマを洗い出し、発行目的や企画考えて行きましょう。

企画の骨格を固めるうえでは、それが発行目的に沿っているかを吟味することが重要ですが、その際には、企画が読者にどのように受け止められ、どのような行動変容が期待されるのかも考えます。ここでは、企画を練るにあたっての具体的なアプローチを紹介します。

企画の基本

企画のタイプ

社内報の企画は、大きくは、以下の3つのタイプに分けられます。

 

  • 1特集

毎号新しい一つのテーマについて、多くのページ数を割きながら深掘りしていく企画です。冊子の冒頭に位置することが多く、読者に社内報を「読みたい!」と思ってもらうためのフックの役割を担います。また、各テーマについて、詳細な情報を伝えられる利点があります。

  • 2定例

特定のテーマについて、毎号定型のフォーマットで切り口を変えながら繰り返し伝える企画です。CSRやコンプライアンスなど繰り返し学んでもらう必要がある内容や、職場紹介や役員メッセージなど伝えるべき情報量が多い内容に対してシリーズ形式で用いられるタイプです。

  • 3差し込み

社内行事や関係部署からの通達など、緊急性・重要性が高い記事を掲載しなければならないときに、「特集」や「定例」とは別にスポット的に入れ込むショートサイズの企画です。特に、伝えるべき情報が状況によって刻一刻と変化するような社内報のタイプに向いています。

 

これら3つを状況に合わせて適切に活用していくことが広報担当者としての腕の見せ所です。

以下では上記3タイプのうち、「特集」「定例」の運用例をご紹介します。

 

特集運用例:特に重要な情報について年間を通じて同じテーマで展開する

「理念の浸透」や「モチベーションアップ (組織文化醸成)」といったテーマは、一度の特集企画で達成することはできません。そこで、年単位のスパンで特集企画のストーリーを作ります。具体的には、発行目的達成までのシナリオを描き、年間の発行数に合わせて、序章から終章まで完結する企画を練ります。同一テーマについて考えを深めるための期間を読者に提供することで、一層の浸透効果を狙うことができます。

 

定例運用例:特定のプロジェクトにおける好事例を定期的に伝える

「働き方改革」や「改善活動」など、他部署や他の社員が達成したナレッジを全社的に参考にするための事例紹介をします。こうした話題を毎号取り上げ続けることで、組織活動を円滑に進めるための情報蓄積をサポートすることができます。

 

 

情報を伝える3つのレベル

情報の伝え方には以下の3つのレベルがあります。ここでは、イメージを掴んでいただくために「商品紹介」の企画の例を添えて具体的に紹介します。

 

  • 1発信する:伝えたい情報を単発で紹介すること。

自社商品のラインナップ紹介 (過去発売されていた商品のコンセプトや仕様をまとめ、周年記念号などに記載する)

  • 2繰り返す:伝えたい情報を単発で発信した後、何度も発信し続けること。

新商品紹介 (毎号自社の新商品やその仕様、担当者の一言コメントを紹介する)

  • 3掘り下げる:発信・繰り返す際に、より詳細な内容についても解説すること。

商品プロジェクト紹介 (環境に配慮した製法の開発や、消費者目線に立った仕様など、商品作りの背景にある開発担当者の想いやナレッジを紹介する)

 

「商品紹介」というテーマ一つをとっても、伝え方が変わればそれを通して伝えられる情報の意味が大きく異なってきます。情報をどのレベルで伝えていく必要があるのかを吟味しながら、伝え方を考えていきましょう。

 

取材の人選

社内報で個人を登場させる際に悩むのが「人選」です。

以下に想定事例を示すように、どのような人物を取材するかによって、同じ企画でも得られる効果が大きく変わってきます。発行目的や、その時々の課題に合わせて適切な人材を選びましょう。

 

人選想定事例

 

<発行目的>

若手社員のキャリア形成に役立つ情報を提供する

 

<企画趣意>

仕事のモットーを社員に聞く

 

<人選候補とその効果>

人選と企画 記事のもたらす効果として期待できること
パターンA 入社5~10年の社員からのアドバイス 若手社員にとって身近な先輩社員を通して、目下の課題をイメージさせます
パターンB 10~20年目のマネージャクラスの若い頃の経験談 皆のモチベーションをかきたて、将来への希望を感じさせます
パターンC 役員や取締役からの若者に向けたメッセージ 皆の視座・視点を引きあげ、ハイ・パフォーマーへの刺激にもなります。

 

全社からバランスよく人選を行いたい場合は、部署、役職、職種、年齢、性別、立場などをできるだけ分散させることを意識しましょう。

参考資料を探す

ある程度企画のイメージができたら、次に、伝えたい内容に関連する資料を集めます。内容と合わせて、伝え方のパターンや編集の仕方など、さまざまな視点から情報を収集することで、企画の方向性を変えることも可能です。

 

企画立案において強い味方になるのが「資料」です。テレビ番組や一般紙、ウェブサイト、図書館の蔵書など 、世に出回っている企画アイデアは社内報の企画作成においても非常に重宝します。日頃から広告媒体に注目したり、雑誌やPR誌、フリーペーパーなどを収集したりして研究してみましょう。

 

また、こうした資料集めについては、着手する前に収集方針を立てることが効率向上につながります。方針の例として考えられるのは、

 

  • 1コンテンツの切り口の参考となる資料集め
  • 2コンテンツそのものの参考となる資料集め

などです。

 

①切り口(見せ方、取り上げ方)に関する資料は、雑誌など、他の編集媒体が参考になります。自分が良いと思った見せ方は、どのように応用できるかを考えてみましょう。

例)ビジネス誌の「アンケート結果をグラフやランキングで紹介する企画」を参考に「自社の顧客満足度を紹介する企画」という切り口を連想

 

②コンテンツを決めるための資料は、さまざまな部署からもらう社内資料がとても参考になります。社内資料には詳しい情報や今後の動向などが載っているため、テーマ決めに迷った時に有効です。ただし、社内資料を扱う際には、どの情報まで社内報に載せて良いのかの確認をとりましょう。

 

例)ビジネス誌の「政府の発表情報をソースとして掲載して紹介する企画」を参考に「顧客満足度調査会社からのアドバイスを簡潔に紹介する」コンテンツを発想

 

世の中に出回る企画の多くは、経験豊富なプロフェッショナルが、その媒体の企画意図 (発行目的) や編集方針を考え抜いて練りこまれています。そのような企画を生かそうという視点で数多くふれているうちに、自然と魅力的な企画を作れるようになっていくはずです。

 

社内報コンサルタントからのワンポイントアドバイス
社内での何気ない会話や、インタビュー内での一言が次の企画の参考になる場合もあります。常に情報を得るためのアンテナを伸ばし、普段から多用な部署の人とのゆるやかなコミュニケーションを大切にして企画案をストックしておくと、いざという時にバリエーションに富んだ、魅力的な紙面をつくることができます。 

    • 個人情報への配慮の加減がわからない

      • Q 社員の結婚・出産などのお祝いコーナーを前任者から引き継ぎましたが、個人情報保護法の観点から問題はないのか気になります。
      • A 記載内容に一定の配慮は必要ですが、今も約8割の社内報が慶弔関連記事を設けています。気になる点は法務部に確認しましょう。

目的に立ち返って企画する

発行目的に立ち返ることの重要性

発行できる数が限られた社内広報媒体において、どれだけ質の高い情報を社内に届けられるかが、広報担当者としての腕の見せ所になります。紙の社内報であればその傾向は特に顕著です。

質の高い情報を届けるためには、発行目的に忠実になることが大切です。

 

発行目的とは、社内報を通じて成し遂げたい社内広報のミッションのこと。このミッションを定めた際には、会社の現状を分析し、社内報で届けるべき情報の方針を練りに練ったはずです。その発行目的に忠実に沿うことを常に忘れず、心に留めておきましょう。

 

複数の企画案が生まれ、どの内容を掲載すべきか悩んだ場合、あるいはその伝え方に迷いが生じた場合にも、発行目的が道しるべとなります。

発行目的に沿った企画を立てることは、その企画の質の高さや、一貫性の担保にもつながります。

 

社内報に求める役割を再確認

ここで、「はじめて社内報担当者になった方へ」で触れた社内報の目的を再度振り返ってみましょう。

 

社内報の目的として多くの企業が考えているのは、「会社の方針や動向を社内に伝え、共有し、社内のベクトルの一致を助けること」です。社内報は、企業内部へ向けたPRを担う経営戦略ツールなのです。また、風通しの良いコミュニケーションの維持、組織の一体感の醸成のためにも、大きな役割を果たします。

 

社内報に求める役割は、主に以下の6パターンに分類できます。

 

  • 1経営方針の浸透
  • 2理念浸透
  • 3企業文化の醸成
  • 4ナレッジ共有
  • 5コミュニケーション活性化
  • 6現場社員のモチベーション向上

 

企画のイメージがあいまいになってしまったと感じる時には、その企画が発行目的に沿っているかという視点から、もう一度見直してみましょう。

 

発行目的と年間計画

完成度の高い年間計画を立てる際にも、発行目的に立ち返ることは重要です。

ここでは、発行目的に照らし合わせた年間計画作成の手順を示します。

 

STEP 1:社内報を通じて達成したいビジョンを描く

実際に年間計画の作成へ移る前に、まずは社内報を通じて達成したいビジョンや発行目的を明確にすることが重要です。

発行目的の例には、

 

  • 自社が抱える組織的課題の解決を目指す
  • 社内での情報共有やコミュニケーションの活性化につなげる
  • 激変する社会情勢のなかでトップメッセージや経営情報をしっかりと届ける

などがあります。

 

まず長期で達成すべきビジョンを明らかにし、その上で各号の社内報の構成をどう計画立てるかを考えましょう。

 

STEP 2:現在の社内報コンテンツを分析し、改善点を洗い出す

発行目的と編集方針が決まったら、次は今までの社内報のコンテンツを分析し、改善点を見つけます。年間を通してどのようなコンテンツが多く発信され、一方でどのようなコンテンツが不足していたのかを調べましょう。

ここで調べた結果から情報の過不足を分析し、次年度に必要なコンテンツの洗い出しを行います。JBAでは、以下の大カテゴリから社内報のコンテンツ分析を行っています。

 

  • 経営方針の伝達
  • 理念浸透
  • 組織文化醸成
  • ナレッジ共有
  • インナーコミュニケーション活性化

 

例えば、「社長座談会」企画であれば「経営方針の伝達」カテゴリに分類されることが多いでしょう。「職場紹介」企画であれば「インナーコミュニケーション活性化」カテゴリに分類されると考えられます。ここで注意するべきことは、コンテンツに偏りがあるか否かということではなく、発行目的に沿ったコンテンツがきちんと発信されているか否かという点です。常に発行目的と照らし合わせて考え、コンテンツの拡充・削減の検討材料にしましょう。

 

STEP3:ページ構成 (台割) を考える

最後はページ構成を考えます。各企画、テーマごとに誌面の何ページ分を使用するのか、バランスを見ながら決定していきます。

 

たとえ社会や会社の状況が変わり計画通りに企画作成ができなくなったとしても、その時につくった目的に立ち返ることで、レベルの高いコンテンツを円滑に作成することができます。

マンネリを打破する

マンネリを打破するための事例集

社内報を発行するにあたっての悩みの種といえば、“マンネリ感”ではないでしょうか?

この課題を打破する方策の一つが、今の経営や組織の状況に適した企画や、時事・トレンドをおさえた企画を取り入れることです。

 

安易なデザイン演出や手法に頼ったマンネリ感の打破では本質的な解決につながりません。

ここでは、社内報で取り上げる機会の多いテーマを5つとりあげます。それぞれの課題に対するアプローチ方法と、具体的な事例を紹介し、企画をアップデートするための手がかりをお伝えします。

 

事例1:トップメッセージを扱う企画

当てはまっていませんか?企画をチェック!

  • 年頭挨拶、年度方針ものばかりで、いかにも社内行事的な発信物になっている
  • 秘書や広報で代筆しており、経営者ご本人の言葉になっていない
  • デザインも文章も、品は感じられるが、垢ぬけていない

 

アプローチ方法

  • 社長の口から話す機会を増やす
  • 社長のパーソナル面もしっかり伝える
  • 一方的な発信だけではなく、対談や座談会も活用する

 

他社事例

 

(出版A社)

経営者の人となりに踏み込む

就任時に社長自身を紹介するページを設け、経営メッセージだけでは伝わらない、ご本人の経営観、経営観のベースとなったキャリアや挫折経験、今の自社をどのように捉えているかなど、あらゆる角度から想いにフォーカスをあてた取材を実施した。ポートレート写真もページいっぱいに引き伸ばし、大胆な構図やポーズを採用。業績が低迷している中にあって、決死の覚悟をもって挑む経営者の姿を伝えた。

 

(消費財B社)

中計を社長自ら解説

社長自らが策定した中計であり、けん引役としての姿を強調するため、毎号社長自らが中計を解説し、方針理解を促すトップメッセージを4ページずつ発信した。事業部トップとの対談など、伝え方の角度も毎号変えることで、一方的な発信にならないように配慮した。

 

(出版C社)

社員の悩みに経営者が答える

社員との対話・座談会を毎号、テーマを設けて人選し、従業員の疑問や悩みにトップ自らが回答する企画を設けた。入社2~3年目を集めて、新人社員の心構えや期待を伝えたり、管理職になりたての社員を集めた会ではマネジメントや組織を率いることの難しさを伝えたりするなど、対話の中で親睦を図ることでけん引力の向上につなげた。

 

事例2:部門・部署・グループ会社紹介

当てはまっていませんか?企画をチェック!

  • 内容が固定フォーマットなので、デザイン演出の側面からしかアプローチができていない
  • 表面的な概要紹介にとどまり、内容がつまらない

 

アプローチ方法

  • 寄稿をやめて、取材で深堀りする
  • 職場の活気が伝わる内容を加える

 

他社事例

(物流D社:グループ会社紹介)

若手社員の目線から取材・執筆

グループ会社へ取材に行く際は、あえてプロを起用せずに、若手の編集委員に向かわせ、自ら取材・執筆させる方針をとった。グループのことをよく知らない若手の率直な質問が、誌面に分かりやすさを生み出している。また、取材内容への驚きや気付きまでコメントとして掲載。誌面にもフレッシュさが生まれて、同じような目線で読者も楽しめている。

 

(システムF社:支店紹介)

人物相関図をいれて、社風が伝わる企画に

支店紹介を行う際の企画として、支店で働く従業員全員が網羅された人物相関図を入稿していただき、顔写真を目一杯大きくして、読者に人間関係を伝えている。アンケートでも職場の雰囲気が分かると好評で、社風がよく伝わるコミュニケーション企画になっている。

 

(製薬G社:部署紹介)

社員に密着し、働くイメージまで伝える

部署の仕事を紹介する上で、部署内の一人に2~3日密着。社内だけではなく、ときにはお客様先まで追いかけ、実務内容を紙と動画で紹介する企画に仕上げている。通常の部署紹介では概要となってしまうところを、とことん一人を追いかけることで、部署の働き方の具体的なイメージが伴って伝わる企画にまで落とし込んだ。

 

事例3:事業紹介

当てはまっていませんか?企画をチェック!

  • 取り扱う情報量が多く、事業紹介で何を伝えたいのか定まらないまま進めている
  • 事業の成り立ちや、事業関係者、事業規模、どんな社会課題を解決しているかが書かれておらず、事業の重要性や影響力が伝わっていない
  • 専門用語が頻出し、他事業の社員は理解できない難解な内容になっている

 

アプローチ方法

  • 社コア技術や市場における強み、特徴的な製品・サービスなど、ビジネスモデルの特徴を事業部の方に解説していただき、伝えたい内容を絞る
  • 事業化までの困難について、トップの方に出ていただき、挑戦の歴史をひもとく

 

他社事例

(機械H社)

新規事業を事業化する難しさを強調

収益化が近い新規事業を取り上げ、事業開発に携わっている部門の責任者に、事業展開の現状や今後の課題を解説いただく4ページものの企画を掲載。ノウハウがない中で、グローバルに事業を拡大していくことの難しさやダイナミックさを強調するため、事業化に至るまでの困難を年表にまとめ、読者を引き込んだ。

 

(素材メーカーI社)

自社の既存事業を分かりやすく解説

自社の事業を毎号一事業ずつ特集に取り上げて紹介。他事業を知らない社員に向けて、既存事業を各事業ごとの強みや取り扱う製品・ソリューション、コアとなる技術を解説した。グループの事業領域が非常に広く、自事業以外のことを知る機会自体が減っていた背景を受けて実施。製品や製品化へのプロセス、事業で活用されているコア技術やそのメカニズムなど、中高生でも読めるような解説ブック調にまとめた。

 

(化学J社)

新規事業を生み出す社員のベンチャーマインドに焦点をあてる

まだ事業化を行っていないが、これから投資する可能性の大きい事業を紹介する企画。通常、新規事業に関しては事業化の目途が見えたり、ある程度の規模になるまでは、社内報でお披露目することは少ないが、事業の進捗よりも、そこで事業開発にチャレンジする人のベンチャーマインドに焦点をあてた企画に仕上げた。

 

事例4:製品・サービス紹介

当てはまっていませんか?企画をチェック!

  • 製品の技術やサービス内容が難解で、理解されにくい
  • 技術紹介に偏り、技術者だけが喜べる企画になっている

 

アプローチ方法

  • 難しい内容の場合、漫画や図解の制作に力をいれる
  • 勉強会などでは語られない技術者や開発者の想いや視点を共有し、ナレッジ共有に役立てる

 

他社事例

(消費財K社)

上市に至るまでに関わった従業員全員から製品特徴をPR

開発・上市に携わった従業員に開発時の試行錯誤や苦労を伺う。マーケティング・研究・開発・生産・宣伝広告など、バリューチェーンごとにお話いただき、それぞれの職種から製品のポイントをPRしてもらう。実際に販売活動に携わる社員が製品の理解を深め、営業活動に生かせるようにこのような形式で継続している。

 

(部品L社)

研究者以外にも分かりやすいように漫画や図解で解説

その分野・技術に精通していない他事業や間接部門の社員に向けて、研究員に製品の特徴を解説していただいている。ただし、そのままでは難解な技術紹介になってしまうため、極力内容を削ぎ落とし、ポイントだけが漫画や図解などで伝わるような配慮をしている。

 

事例5:社員個人を取り上げる企画

当てはまっていませんか?企画をチェック!

  • 語る内容が薄い
  • 登場する社員に偏りがある(成果を出した社員ばかりになっている)
  • 専門的な職種の方の場合、仕事のイメージが湧かない
  • 伝えたいポイントが定まっていない

 

アプローチ方法

  • 事前のリサーチをしっかり行い、適切な人選を行う
  • 専門外の社員にも読みやすいよう、適宜解説を入れる
  • 社員にどんな話を聞きたいか、目的を定めておく

 

他社事例

(人材M社)

誰が読んでもためになる仕事のヒントを紹介

徹底的に成果を上げた社員を人選する編集方針を掲げている。一方で、成果を出すまでのプロセスやテクニックは重視しない。仕事への想い・情熱を深掘りしていく中で、仕事観やスタンス、習慣のほうを丁寧に書き出し、誰が読んでもためになる仕事のヒント企画として仕上げている。

 

(フードサービスN社)

モチベーションが上がるよう、人選には特に配慮

壁にぶつかり、乗り越えた経験を中心にインタビューを行う。「30歳前後の社員であること」「境遇に共感できること」を重視した人選を行っている。離職率が高い、店舗に相談できる先輩社員がいないフードサービスの業界の課題に対し、「自分も頑張ろう」と思える企画にしている。

 

(機械O社)

事業内容を知らない社員でも共感できる内容

業務を深堀りし、その職種特有のミッションやプライドを伺う。職種間の相互理解を促すことも目的としており、必ず本文冒頭に、事業概要や業務の難しさ、自社内における重要性を簡単に紹介することで、事業内容を知らない社員でも仕事にかける想いへの理解や共感をしやすくさせている。

 

(教育P社)

キャリアをイメージできるよう転機にフォーカス

入社からキャリアを伺う中で、特に転機となったタイミングに絞って寄稿をもらう。社内で描けるキャリアが幅広く、キャリアパスをイメージするきっかけにつなげる。

 

社内報のマンネリを脱却するためには、これまで行ってきた企画を見直すことが大切です。

特に「目的がしっかりと定まらないまま続けている企画」については、何を伝えたいのかを明確にし、改めて企画立案を行いましょう。目的が定まれば、アプローチ方法もおのずと見えてきます。

上にあげたチェック項目と他社事例をもとに、企画を見直し、質をさらに向上させましょう。

まとめ

この記事では社内報の企画のレベルを上げる考え方を紹介しました。紹介した、良い企画を提案するには、良い企画がどういうものかを知り、自社の目的に合わせて考え直すことが最も大事になります。ぜひ、この記事を参考に企画のレベルアップに挑戦してみてください。

 

    • ・編集会議で意見や案が出てこない

      特集ページの変動により発行が遅れる

      Q 毎号、メインの特集の企画・ページ数が全く違うため、他の企画の制作着手に影響してしまい、いつも発行日が遅れてしまいます。

      A 台割(ページ数)を何パターンか想定して企画をすすめたり、バッファとして使える企画を用意するようにしましょう。

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