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社内報撮影の基本 前編  ~社長・役員撮影、職場紹介、社員紹介~

写真撮影はやり直しができず失敗が許されないため、多くの社内報担当者を悩ませています。そこで社内報のコーナーごとに押さえておきたい撮影のコツを全2回に分けてお伝えします。今回は前編として社長・役員撮影、職場紹介、社員紹介の撮影のポイントをお伝えします。

写真撮影の基本

まず最低限抑えるべき、写真撮影の基本項目を以下にご紹介します。写真撮影を行うにあたってどの場面においても大切になる共通の項目です。これらをマスターし、社内報企画ごとの撮影に臨みましょう。

 

撮影前のポイント

  • 高画質で撮影(600万画素以上、ファイン設定※)
    • ネクタイ、リボンは曲がっていないか、襟は折れていないか必ず確認
    • ポケットの中にペンや余計なものが入っていないかを確認
  • 明るい場所や影のない場所で撮影
  • 切り抜き写真の場合は背景が白い場所で撮影
  • 屋外では逆光に注意

 

 

【撮影】角度一つで印象が変わる

  • 頭や体の左右が切れてしまわないように注意
  • 焦点は眼に合わせる
  • カメラを構える時はワキをしっかりしめる
  • シャッターは念のため、多めに切る
  • 人物撮影は正面、斜め右側、斜め左側の3方向から撮影

 

 

撮影後のポイント

  • 拡大表示でピントが合っているか確認
  • 念のため、ご本人にも確認をとる(特に前髪や表情)
  • 集合写真で、目を瞑っている人がいないか確認

社長、役員撮影 編

社内報では、新年挨拶、事業計画発表、決算発表など社長や役員からのメッセージを掲載することが多くあります。誌面に添えられる印象次第で、人物やメッセージのイメージが大きく変わります。写真は社長や役員の想いを伝えるための強力なツールの一つとなるということを念頭に置いて、撮影に臨みましょう。

また、社長や役員を撮影できる機会は少ないため、一度撮影した写真を長期に渡って使用することも珍しくありません。1カットだけの撮影ではなく、時間が許す限り複数パターンの写真を撮影しておきたいところです。

 

事前準備

社内報の撮影において、社長撮影は事前の準備や当日の段取りなど、最も難しい撮影になると言っても過言ではありません。

しかしながら、撮影自体に特別なスキルが必要なわけではないので、安心して撮影に臨めるよう、しっかりと準備をしておくことが大切です。

  • トップのメッセージで伝えたい内容を決める

社長・役員企画のための撮影の前に、まずはその企画を通じて読者に伝えたいメッセージを明確に決めておく必要があります。

そうしないと例えば、本来伝えたいメッセージは「社会情勢に伴う事業規模の縮小」などのシリアスな内容であるにも関わらず、「笑顔で楽しそうに話している社長の写真しかなかった」という事態にもなりかねません。

 

写真のサンプルイメージを探す

伝えたいメッセージが決まったら、そのメッセージに近いテーマで書かれているビジネス誌や雑誌から、写真のサンプルイメージを探しましょう。一般に流通しているメディアは、これらのシーン設計にとてつもない労力をかけた末に撮影をしています。そのため、これらメディアに掲載されている写真のポージングを真似するだけでも、メッセージの説得力を格段に引き上げることが可能です。

 

※全てをまねしようとすると、ライティングやカメラの詳細な設定など、プロフェッショナルな知識が必要となります。特に写真が大切になる場面では、プロのカメラマンに撮影を依頼することも考慮に入れてみましょう。

 

  • 写真のサンプルイメージを探す

撮影当日までに、代役を立てて試し撮りを行います。具体的には、

  • 社長がどの位置でポーズをとるか
  • 背景に余計なものが映らないか (室内では、花瓶や絵画、電話機などが背景に写り込んでしまうことが多い)

 

などの項目について、特にしっかりと検証をしておきましょう。

 

服装を決める

会社案内や記念誌、CSRレポートなど社外に配布される媒体では、社長インタビューの誌面でコーポレートカラーに合わせたネクタイを準備し、撮影を行う場合が多く見られます。

 

また、ネクタイを複数用意しておくと、同じ場所・同じカットでも写真に変化をつけることができるため、社内報を超えた複数の媒体で同時に使用するときには効率的に写真を撮影することができます。

 

さらに、モアレを防ぐために細かいストライプ柄のシャツやスーツも避けてもらいましょう。

※モアレとは:規則正しく網目模様がある細かな格子柄の服などを撮影した場合に発生しやすい、地図の等高線のようなまだら模様のこと

 

当日の段取りを決める

ストレスを感じさせないスムーズな進行のために、段取りをあらかじめ決めましょう。誌面によってはインタビュー中の写真と、カメラ目線で立ちポーズの写真も必要になります。インタビューを行った後に別カットを撮影する時間を確保するためにも、インタビュー当日までに、撮影対象者に当日の段取りを伝えておくことが大切です。企画の趣旨とインタビュー内容、当日の服装の依頼も忘れずに伝えましょう。

 

 

撮影当日

証明写真のように無表情な社長の写真が社内報の誌面に使用されていたら、読者はどう感じるでしょうか。社長の想いが伝わる以前に、読むのを敬遠されてしまいます。

 

一方で、社長が身振り手振りを付けて話しているインタビューの様子を撮影できたらどうでしょう。生き生きとした社長の姿が臨場感を伴って伝わってきますね。

 

威厳を出したいときや堅い印象を与えたいときには正面からの写真も有効ですが、様々な角度から撮影することで、社長の良さが引き出された写真を撮影できます。
 

インタビュー中は正面よりも斜めから

臨場感を出すために、左右から角度を付けて撮影します。インタビュアーを写真に入れない場合はインタビュアーの横から撮影。

また、インタビュー中に目上の人を撮影するときは、原則として上から見下ろすような撮影は行いません。威厳ある写真で重厚な印象を与えたいときは、少し斜め下からカメラをかまえ撮影するとGOOD。

 

 

ボディランゲージや笑顔の瞬間を抑える

資料を見ているときはどうしても目線が下を向きがち。一方で、話に熱が入りだす中盤から後半にかけ、自然と視線の動きや身振り手振りが付いてくる場合がほとんどです。

 

前を向いて身振り手振りを付けて話をされているときが絶好のシャッターチャンス。絶対にこの瞬間を逃さないようにしましょう。

職場紹介 編

職場紹介企画では、様々な角度から部署や事業所を紹介しようとするが故に、写真の種類・点数が多くなりがち。撮影に関わる人数も多くなるのでスケジューリング、段取りには要注意です。

 

事前準備

事前に原稿をチェックし、撮影内容を決めておく

どんな写真を撮るのかを事前に決めて伝えておかなければ、撮られる側はどうして良いのかわかりません。社員の方の拘束時間を短縮するためにも撮影内容は事前に決定しておき、必要なカットを撮り逃さない工夫をしましょう。

 

撮りたい構図を各職場に連絡するためには、取材依頼書を事前に送付しておくと効果的です。

 

 

撮影当日

ポーズを取ってもらう場合は具体的に依頼

「元気そうなポーズを取ってください」と言われても、社員の方は撮影されるプロではないので、身の振り用に困ってしまうものです。ポーズを取ってもらいたい場合は具体的なサンプル写真を見せながら依頼するのがベスト。

 

写真の印象を変えたいときは背景を変える

原稿の内容にあわせて背景を変えるのも撮影テクニックの1つです。会社の近くに写真映えするスポットがあれば、そこへ移動するのもアリです。ただ、撮影許可が必要な場合もあるので確認は入念に。

また、写真を切り抜いて使用する場合は、真っ白な壁などの模様のない背景で撮影しておくことでスムーズに切り抜きができるようになります。

 

 

ワンポイントアドバイス

Tips 集合写真を撮るときは

職場紹介に限らず、社内報の多くの誌面で登場する集合写真。全員を漏れなく撮影するためのスケジュール調整はもちろんですが、全員の顔が見えるように撮影することも大切。撮影する人数に応じて、以下のことに気を付けながら撮影に臨みます。

      • 1一人ひとりの顔を大きく撮影する

3 列以上になるような大人数を撮影する時は、脚立を使って上から見下ろす形で撮影するのもおすすめです。上からの撮影は顔が重なりやすくなるため、実際にカメラを構えながら一人ひとりの立ち位置を決めていきましょう。

  • 2人が多いときは上から撮影

3 列以上になるような大人数を撮影する時は、脚立を使って上から見下ろす形で撮影するのもおすすめです。上からの撮影は顔が重なりやすくなるため、実際にカメラを構えながら一人ひとりの立ち位置を決めていきましょう。

  • 3できるだけ多くの枚数を撮影

全員がしっかり目を開けているかを確認しながらの撮影するのは非常に難しいので、できるだけ多く写真を撮影して、撮影後に確認します。

 

Tips 風景写真を撮るときは

職場紹介では、その職場が担当する業務を説明するために「業務中の風景」を撮影したり、事務所の周辺情報を紹介するために「事務所の外観」を撮影したりすることが多くあります。これらの写真を撮影する際に気をつけておきたいのは以下のことです。

 

      • 1社外秘情報の映り込みに注意する

パソコンや書類、ホワイトボードには顧客名などの社外秘情報が満載。社外秘情報が写真に写り込まないように撮影前のチェックは必須。

 

パソコン画面や資料をアップで写したい場合には、写しても問題のない画面や資料を用意しておいてもらいましょう。

  • 2撮影先の職場と協力して整理整頓

職場紹介で「片付けられていない職場」を掲載するのはNG。撮影対象の部署と協力して、撮影日までに職場を片付けましょう。

社員紹介 編

社員紹介企画はなんといっても登場する社員が主役。 熱のこもったインタビュー中の表情や、インタビューの話の中で出てきた思い入れのあるモノや場所と一緒に写っている姿など、“その人らしさ” が伝わる写真を撮影することが大切です。

 

事前準備

社員紹介企画の撮影をする時に一番大切なのは、登場してもらう社員の方に関する情報収集と準備です。その人がどんな仕事をしていてどのような人柄なのかを調べて、“どこでどんな”写真を撮影するのが良いのか当日までに決めておくことが大事です。

 

また、インタビューの内容に関連したモノを使用して撮影したい場合、社員の方にその撮影場所や持ってもらうモノを事前にチェックしましょう。

 

撮影当日

インタビュー中 : 取材の臨場感を伝える

インタビュー中の写真を掲載することで、取材の臨場感を読者に伝えられます。インタビュー前に、身だしなみをチェックし、テーブルの上の不要なものはしっかりと片付けます。ペットボトルや紙コップが写り込んでしまわないようにしましょう。

  • 社章、ネクタイなどの身だしなみをチェック

社章は忘れる方が多いのでいくつか予備を用意しておくと便利です。撮影場所の整理整頓も忘れずに。

  • いろんな角度からベストショットを狙う

左右両側から撮影しておくと、デザインの幅が広がります。

 

 

インタビュー後 :「その人らしい」モノや場所で撮影

インタビュー中だけでは充分な写真が撮れない場合もあります。そのため、インタビューが終わった後に写真を撮影するのも一つの手です。

 

証明写真のような正面から撮影した写真ではなく、その人が働くシーンや、話の中に出てきたモノ(商品やツールなど)や人(チームメンバーや上司など、関わった人)と一緒に写るシーンなどを撮影すると、インタビューの内容により一層説得力が出ます。

  • インタビューが終わったら移動して撮影スタート

柔らかい表情を引き出すために、趣味の話をするのもアリ。キリッとした表情で真正面もしくは下から撮影した画像は、読者にとっては想像以上に威圧感を与えてしまいます。カメラを少し上から構え、少し歯が見えるくらいの笑顔を見せると好印象です。

 

 

後半では引き続き、対談や座談会、社内イベントの撮影や、海外拠点紹介の写真撮影の注意点まで紹介していきます。

 

 

社内報撮影の基本【後編】対談・座談会、社内イベント、海外拠点紹介

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