企画・ネタを探す

企画・ネタを探す

社内報撮影の基本 後編 ~対談 座談会 社内イベント 海外拠点紹介~

これを読めば、撮影初心者でも、より魅力的な写真を撮れるようになります。
まずは基本を紹介するので、それらを踏まえた上で、個別の写真撮影の方法について確認していきましょう。

対談・座談会 編

対談・座談会は、社内報でよく取り上げられる企画の一つです。撮影者は、撮影をスムーズに行うために、事前に全体の流れを把握し、入念な準備をしておくことが大切です。また、ただ撮影するのではなく、対談に耳を傾けながら、企画内容に沿った写真を撮ることがベストです。

 

事前準備

会場をチェック

部屋が狭すぎると全員を1枚の写真に入れられないことがあるので要注意。また、参加者全員を1人ずつ左右両側から撮影するため、会場の全ての角度を撮影することになります。ゴミ箱やホワイトボードなど不要なものが写り込まないよう、事前の片付けを徹底しましょう。

 

座席をセッティング

3~4名の座談会では、テーブルの角を利用したL字型の座席配置がオススメです。座談会開始後は、参加者の座る位置を変更することができないので、座談会開始前に座席を決めましょう。

 

不要なものが映らないように移動させる

テーブルの上の名刺や社外秘資料、ペットボトルやハンカチなどが写真に写らないように、参加者の方に声をかけて片付けてもらいます。事前に決定した席順でうまく写真が撮れそうにない場合は、当日席順を変えてもらうようにお願いすることも。

 

 

座談会撮影中

直観的に内容がわかるカットを撮影する

掲載する原稿に適した写真を撮るために、対談や座談会の撮影では話を聞くことも大切です。例えば真剣な話をされているのに、笑顔の写真では違和感があります。対談に耳を傾け、内容に注意ながら撮影しましょう。

 

縦横無尽に撮影する

3名以上が参加する座談会はかなりのスピードで話が展開されます。その上、全員を同時に撮影する写真だけではなく、1人ひとりが話している写真を撮る必要があります。参加者全員の良い表情を撮影するためには、会場を縦横無尽に撮影し、全員が 3 カット以上写るよう心がけると、紙面編集時の自由度が高まります。

 

  • Tips 会場の設備と話の流れを把握しておくことが大切

対談や座談会企画の撮影でいちばん恐いのが「部屋が狭すぎてうまく撮影できない」こと。会場のセッティングは前日までに済ませ、撮影の予行演習をしておくことがベストです。対談・座談会ともに撮影者よりも参加者の方が緊張するもの。入念な事前準備で、当日は参加者を気づかえる余裕を持てるようにしたいですね。

社内イベント編

社員研修や表彰式、展示会など、社内報で取り扱う機会が多い社内イベント。社内報の企画として実施するわけではないので、撮影場所の確保や複数のパターンを撮影することは簡単ではありません。少ないチャンスの中でどれだけ思い通りの写真を撮影できるかがポイントになります。

 

セミナー・研修:イベントの特徴を捉える

遠くから撮影した全体写真だけでは、なかなかその研修の内容を伝えることはできません。「その研修ならでは」の特徴を捉えるために、以下のことに注意して撮影を行います。

    • 1会場の雰囲気を伝えるヒキ (全体) を撮る

何が行われているのか、参加者が何人ぐらいなのか、など研修の状況がわかる写真を撮影します。

  • 2ポイントとなるヨリ (アップ) もおさえる

講師の顔や、投影されたスクリーン、配布されたアイテムなど、全体の写真では小さすぎてわからないものを大きく撮影します。

 

イベントの進行やスケジュールを事前に把握しておくことで、「ヨリの撮影をスムーズに行うことができます。撮影時には講師や参加者の邪魔にならないように注意。

  • 3余裕があればアクセントとなるサブカットを撮影

セミナーや研修開催前の会場の看板や参加者の表情など、当日の様子を表す写真を押さえておくと、より研修の特徴を捉えた誌面を構成することがでます。

 

 

講演会:環境に合わせて臨機応変に

大きな会場や暗い照明によって、なかなか難しい講演会の撮影。撮影環境に合わせたカメラの設定や撮影場所の確保をしてから、撮影に臨みます。

  • 1カメラの設定を変えてみる

会場が暗い場合は、手ブレが起きやすくなります。講演開始前に試し撮りを行ってみて、手ブレが発生するようなら、カメラの設定を変更します。シャッタースピードを速めに、感度を高めに設定することで手ブレの軽減が可能です。

  • 2一言ことわりを入れてから、できるだけ近い位置に

客席の最前列の両側や道路の最前列でしゃがむなど、できるだけ近くから撮影を行います。事前に会場の係の方に一言ことわっておくことを忘れずに。

  • 3正面からの写真撮影は短時間で

角度のある位置からだと講演者の横顔しか撮影できないので、できるだけ正面から撮影することを心がけます。講演者の邪魔にならないよう、短時間で多くの写真を撮っておくことがポイントです。

 

 

展示会:マナーを最重要視

来場者や他企業の出展者など、展示会には多くの方がいらっしゃるため、マナーのある撮影を心がけます。展示会では、展示物のほか、メンバーの集合写真や会場の様子を撮影することがポイントです。

    • 1撮影許可を忘れずに

展示会場によって、撮影に許可が必要な場合があるので、事前に確認し、撮影許可を取っておきます。また、一般の来場者を許可なく誌面に掲載することはできません。個人が判別できるような写真の使用は避け、どうしても難しい場合はぼかしを入れるなどで対応しましょう。

  • 2全員の撮影時間を事前に伝える

メンバーの集合写真は、ブースに全員集合しているタイミングが限られているため、撮り逃してしまうことが多くあります。予め撮影する旨と撮影時間をしっかりとメンバーに伝えておくことが重要です。

 

  • Tips 高い位置から撮影する

展示会の企画では、会場の様子を伝えることがポイントです。会場の様子を撮影する際は、脚立などに乗って高いところから撮影するときれいな全景を撮影することができます。

表彰式:数少ないチャンスを見逃さないように

表彰式などの式典は流れに沿って進行するので、社長のあいさつ、発表風景、受賞の風景など、シャッターチャンスを逃さないように注意が必要です。

    • 1式典の事前確認

撮影に適した場所の確保のほか、式典の進行スケジュールの把握が大切です。実際にリハーサルに同席し、撮影のタイミングをつかむのも効果的です。

  • 2狙いによって撮影の角度を変える

真正面から撮影すると、表彰状を受け取る人の顔が見えづらくなりますが、全体の様子を撮影することができます。また、ナナメから撮影すると、表彰状を渡す人と受け取る人の距離が縮まり、受け取る人を大きく撮影することができますが、渡す人の顔はまったく見えなくなるというデメリットもあります。狙いによって、その都度角度を変えていきましょう。

 

  • Tips TPOをわきまえる

イベントの主役はカメラマンではないので、進行の妨げになることは絶対にしてはいけません。しかしながら、社内報編集者にとっては写真撮影も大事な仕事。「遠慮しすぎて必要な写真が撮影できなかった」と後悔しないように、イベントの進行役や責任者に「どこまでやっていいのか」の確認を取ってから撮影に臨むようにします。

海外拠点 編

海外拠点を紹介する企画では、基本的に日本人駐在員や現地の社員に撮影を依頼します。現地ならではのモノや風景の写真を撮ってもらうことで、仕事や職場の雰囲気と、そこで働く現地の社員に加え、その国や地域の文化や習慣、国民性、市場観などを伝えることができます。

この場合、必要な写真の種類と、それらをどのように撮るべきかをこちらから伝える必要があります。ここでは、その「伝えるべきポイント集」をご紹介します。

 

 

現地の撮影者に伝えるべきポイント集

 

社屋:工場や社屋、入居しているビルの外観写真の場合

  • 明るい場所や影のない場所で撮影する
  • 切り抜き写真の場合は背景が白い場所で撮影する
  • 屋外では逆光に注意

 

 

屋内:オフィス内やエントランス、オフィスサインなどの場合

  • できるだけフラッシュを光らせずに撮影する(特にオフィスサインはフラッシュを光らせずに、蛍光灯などの反射が写らないように撮影する)
  • できるだけ部屋全体が写る位置で数枚撮影する
  • パソコンの画面はスクリーンセーバーか、写っても構わない画面に切り替えておく
  • 他者に見られてはいけないものは写らない位置に移動させる

 

 

風景、名所:観光地や街の雰囲気がわかる写真

  • 建物やビル群、オブジェなどは低い位置から撮影すると臨場感が出やすい
  • 夜景はぶれやすいので三脚を用いるか、台になる場所に置き、タイマーを使って撮影する
  • 夜景ではフラッシュを光らせない
  • タ暮れ時の薄暗くなりかけているときに撮影すると真っ暗になりすぎない夜景が撮れるので、可能であれば試してみる
  • 看板やサインなどを撮影する場合は、蛍光灯やフラッシュ、街灯の写り込みがないように注意する

 

 

名物料理:料理だけを撮影してもらう (人物を写さない)

  • 単品撮影と複数の料理をテーブル配置して撮影する
  • 真上か、真上に近いやや斜めから撮影する
  • フラッシュは光らせない
  • 料理はひとつずつ撮影する
  • 料理は器がカメラの枠から切れないように撮影する
  • 複数の料理を同時に撮影する場合は、できるだけ器と器の間を詰めて撮影する

 

 

集合写真:全員が識別できるように

  • 集合写真の場合は全員が正方形の枠内に収まるように撮影する
  • 人数が多い場合は前後の列を増やし、やや高い位置(脚立や椅子の上に立つなど)から撮影する
  • 頭の上が切れないように撮影する

 

 

イベント:スポーツ大会や博覧会など

  • スポーツ大会や博覧会など公式のイベントの紹介に用いる写真は自身で撮影したものを使用する
  • 宴会やパーティーオフのイベント(例:バーベキュー、スポーツ大会)など楽しく盛り上がっているシーンを撮影する
  • カメラ目線や自然なカットなど複数撮影する

 

 

商品・製品:現地で取り扱っているモノの写真

  • 真正面、斜め右、斜め左、斜め上の4方向から撮影する
  • 大きな商品や製品はやや下の方から見上げるように撮影する
  • 枠の中に収まるように撮影する
  • フラッシュは光らせない
  • バックに壁がある場合は、商品や製品を壁から1メートルくらい離して撮る

まとめ

社内報における写真撮影の基本を、前編・後編と見てきました。企画内容によって注意すべきポイントは変わってきます。しかし、どの企画においても、事前準備が重要となることは変わりありません。撮影時だけでなく、事前に撮影に関することは入念にチェックし、ベストな写真を撮影できるよう努めましょう。

 

社内報撮影の基本【前編】 社長・役員撮影、職場紹介、社員紹介

 

一覧に戻る

社内報担当者向け基礎講座

TOPへ戻る