2020年8月27日 月・季節 2844 views
夏の時期に急増!熱中症対策企画をつくろう
誰もがかかってしまう危険性がある熱中症。夏には、多くの企業が社内報の企画として取り上げます。本記事では、なぜ熱中症企画が重要か、そして熱中症対策企画で押さえるべきポイントについてご紹介します。
意外と深い!?熱中症対策企画の重要性
夏に発行される社内報の定番企画と言えば、熱中症対策。現場作業がある企業をはじめ、多くの企業が社内報を通して、熱中症予防を呼びかけます。中には、安全推進部門から、「社内報に載せてほしい」と要望を受けるケースも多いと聞きます。
熱中症は非常に危険!最悪の場合には死に至るケースも
なぜ、これほどまでに夏に熱中症対策企画の需要が高まるのか。それは、熱中症が危険であるからにほかなりません。国の調査では、2019年に熱中症で救急搬送された人は、なんと7万人を超えています。職場における熱中症で亡くなる人は、全国で毎年10名以上に上り、4日以上仕事を休む人は400人を超えています。
特に屋外での作業の多い企業では危険性が高まります。もし、高所で作業している社員が熱中症で立ちくらみを起こしたら…。熱中症自体は軽症でも、大事故につながりかねません。企業によっては、熱中症が労働災害の約2割を占める会社もあります。労働災害を防止するという意味でも、熱中症への注意喚起は非常に重要です。
熱中症は簡単に予防できる病気!
社内報で取り上げる意義が大きい理由として、「簡単に予防できる」ことが挙げられます。たとえば、少し意識して水分補給を増やすだけでも、熱中症予防につながります。社員の意識次第で「熱中症0」も夢ではありません。社員の熱中症への意識を高めることが、労働災害の削減につながります。
熱中症対策企画の方向性はさまざま
熱中症対策企画といっても、伝える内容はさまざまです。たとえば、
- 熱中症のメカニズムを説明する
- いつでも実践できる予防策を伝える
- 熱中症患者が出たときの応急対応の仕方を説明する
- 社内の熱中症対策の取り組み事例を紹介する
- 社内での熱中症発症事例を紹介する
などが挙げられます。社員の理解度に応じて、何を伝えるべきかを吟味することが必要となります。どのような企画をするべきか、次の章で解説します。
安全への感度が低い若手社員にも伝わる企画にしよう!
熱中症がどれだけ怖いか、社内報で表現しよう
まずは、熱中症の危険性を社員に理解してもらうことが第一ステップです。社員には、さまざまな年齢層や属性が考えられますが、熱中症対策企画の場合、「若手社員」をターゲットに置くと効果的と言えます。
なぜ若手社員をターゲットに置く?
若い人より中高年や高齢者層のほうが熱中症にかかりやすいのでは。そう考える方もいるかもしれません。たしかに高齢者の罹患率は非常に高いですが、労働災害においては若手社員の割合が非常に多いのです。その理由は、主に2つあります。
- 現場経験が浅い
- 自分の体力に自信がある
経験が豊富であれば、「このような場合、どんなことが起こるか」予測することができ、事前に熱中症を避けることができます。しかし若手社員には、それを判断できるだけの経験がありません。かつ、若手社員はこれまで病気やけがなどの経験も少なく、自分の体力に自信がある場合がほとんどです。それゆえに、無理をしすぎてしまい、熱中症を起こしてしまうケースが後を絶ちません。若手への注意喚起が非常に重要になります。
熱中症の危険性をオーバーに表現する
社内報においては、多少オーバーすぎるくらいに熱中症の危険性を表現しましょう。やりすぎと思えるくらいが、社員の感情に響きます。若くて持病がなくても熱中症で死につながるケースもあること、現場作業においては大きな事故に直結する場合があることなど、しっかりと伝えましょう。また、昨年の熱中症の労働災害数を載せるのも非常に有効です。「こんなにも熱中症にかかる人が多いんだ」と知ってもらうことで、他人事ではなく、自分事として捉えてもらいましょう。
現場でできる対策を必ずいれよう!
いくら、社員に熱中症が危険であることを伝えても、どう予防したらいいのか分からなければ、意味がありません。現場で一人ひとりができる対策を必ず入れましょう。
具体例としては
- こまめに水分補給をする
- 尿の色を見て、脱水症状をチェックする
- 休憩を取りながら作業する
- 温度計・湿度計を作業場所に設置し、チェックする
- 単独での作業を避け、なるべくペアを組んで作業する
などが挙げられます。現場で簡単に実践できる対策を入れることで、読者にとってためになる企画にしましょう。
管理職以上の方に向けての情報発信をしよう!
管理職以上の方に向けた情報発信をすることも大事です。社員一人ひとりの努力だけに頼るのではなく、会社の仕組みとして熱中症対策を講じることが非常に重要になるからです。現場の取り組み事例を紹介したり、仕組みを考えるための安全推進部門などの窓口を紹介することなどがこれにあたります。また、屋内での業務でも熱中症の危険があるので、屋内勤務の方への注意喚起をすることも有効でしょう。
ただし、管理職以上への情報発信は社内報以外でもできるので、優先度は高くありません。最も危険性の高い若手社員への注意喚起を行ったうえで、管理職以上に向けた情報発信を行うのがいいでしょう。
おわりに
社内報における熱中症対策企画は、若手社員に熱中症の危険性を理解してもらうこと、そして現場でできる対策を伝えることが非常に重要です。熱中症は防げる病気です。社内報を通じ、熱中症0、労働災害0に貢献しましょう。
参考
厚生労働省:熱中症関連情報
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/index.html